男のからだ研究室

男の薄毛(AGA)はなぜ起こる? 仕組みと皮膚科で受けられる治療、生活で気をつけること

公開 2026/10/14・男のからだ研究室編集部

生え際が後退してきた、頭のてっぺんが薄くなってきた。成人男性の薄毛の多くは「男性型脱毛症(AGA)」によるものです。仕組みを知って、早めに手を打つのがいちばんの近道です。

薄くなる仕組み:毛が育ちきる前に抜ける

髪は、伸びる時期(成長期)と抜ける時期をくり返しています。成長期はふつう数年続きますが、男性型脱毛症ではこれが極端に短くなります。毛が十分に育つ前に抜けてしまうので、だんだん短く細い毛ばかりになります。これを「ミニチュア化」といい、薄毛の直接の原因です。

その裏にあるのが男性ホルモンです。毛の根もとの細胞が男性ホルモンを受け取ると、「5α(アルファ)還元酵素」という酵素の働きで、より作用の強い男性ホルモンに変わります。これが毛を作る細胞(毛母細胞)の増え方を邪魔して、ミニチュア化が起こると考えられています。

皮膚科で受けられる治療

日本皮膚科学会は、次のような治療を紹介しています。症状や希望に合わせて組み合わせます。

ミノキシジル(塗り薬)
どう効くか毛を作る細胞を刺激して、発毛をうながす
特徴最もすすめられている薬
アデノシン(塗り薬)
どう効くか発毛をうながす
特徴ミノキシジルに次ぐすすめ度
フィナステリド・デュタステリド(飲み薬)
どう効くか5α還元酵素の働きをおさえ、作用の強い男性ホルモンを作らせない
特徴抜け毛の進行をおさえる
自家植毛
どう効くか後頭部の自分の毛を、薄いところへ移す
特徴効果は高いが手術。費用もかかる

健康保険はほぼ使えない

男性型脱毛症は、病気というより「加齢による変化の一種」と考えられています。そのため、効果のある治療の多くは保険が使えない自由診療です。費用はクリニックによって大きく違うので、続けた場合の総額で比べてください。

飲み薬を使うときの注意

フィナステリドやデュタステリドを飲むと、前立腺がんを見つけるための血液検査の値(PSA)が約半分に下がります。健康診断や人間ドックでは、飲んでいることを必ず伝えてください。伝えないと、異常を見逃すおそれがあります。

生活で気をつけること

抜け毛を確実に防ぐ特別な方法はありません。そのうえで、日本皮膚科学会は次のことをすすめています。

  • 髪を強く引っぱる髪型や、頻繁すぎるカラーリングを避ける
  • 自分に合ったシャンプーで、乾燥や皮脂の出すぎを招かない頻度で洗う
  • ビタミンやミネラルをとれる、バランスのよい食事をとる
  • 無理をしすぎず、休息をとって規則正しく過ごす(体への大きな負担で一時的に抜けることもある)
  • ふだんから抜け毛の量や頭皮の状態を見ておき、気になったら皮膚科へ

薄毛は、男性型脱毛症のほかに、円形脱毛症やほかの病気が原因のこともあります。自己判断で育毛剤を試し続けるより、一度皮膚科で原因を確かめてもらうのが確実です。

クリニックを選ぶときに確かめたいこと

  • 薬の名前と、効果・副作用の説明を医師から受けられるか
  • 毎月の費用と、続けた場合の総額
  • まとめて高額な前払いを求められないか

美容医療の契約での注意点は、ヒゲ脱毛の契約の注意点でもまとめています。

参考にした資料

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