埋没毛・毛嚢炎・ニキビのあとの黒ずみ(炎症後色素沈着)とハイドロキノン・トレチノイン治療
公開 2026/10/14・男のからだ研究室編集部
埋没毛や毛嚢炎(毛穴の炎症)、ニキビが治ったあとに、茶色っぽい黒ずみが残ることがあります。これは「炎症後色素沈着」といって、炎症のあとに肌の色素(メラニン)が増えて残ったものです。ヒゲのあたりや首、わきなど、毛の処理をくり返す場所にできやすく、日本人を含む東洋人に多いとされています。
まずは「炎症を起こさない」こと
炎症後色素沈着は、炎症がくり返されるほど濃く、長引きやすくなります。治療より先に、原因を減らすことが大切です。
- 埋没毛や毛嚢炎を、つぶしたり毛抜きでいじったりしない(埋没毛の原因と対処法)
- ヒゲそりの前後は肌をしっかりぬらし、そったあとは保湿する
- 日焼け止めを使う。紫外線で色素沈着は濃くなる(男の日焼け止めの選び方)
- 肌をこすらない(ゴシゴシ洗い、タオルでこする、服のこすれ)
浅い色素沈着は、原因がなくなれば時間とともに薄くなっていくことが多いものです。ただ、何か月も残る、早く消したいという場合は、医療機関での治療があります。
ハイドロキノンとトレチノイン
東京大学形成外科の吉村浩太郎医師らは、2つの塗り薬を組み合わせる治療を報告しています。
トレチノイン
働き肌の生まれ変わりを早めて、表皮にたまったメラニンを外に押し出す
使い方色素沈着の濃いところだけに、ごく少量
ハイドロキノン
働き新しくメラニンが作られるのをおさえる
使い方顔全体など広めに、ごく少量
炎症後色素沈着のように、色素が皮膚の浅いところ(表皮)にたまっているものは、この外用治療で治療できるとされています。
治療の進め方
- 漂白期(2〜8週間ほど):トレチノインとハイドロキノンを一緒に使い、メラニンを押し出す
- 治癒期(4〜6週間ほど):色が薄くなったらトレチノインをやめ、赤みが引くまでハイドロキノンだけを続ける。治療による炎症で、新たに色素沈着が起きるのを防ぐため
全体では6〜12週間ほどが目安です。トレチノインは続けて使うと効かなくなってくる(耐性)ため、続けて使うのは長くても8週間程度で、再開するなら1〜2か月あけるとされています。
副作用:赤みと皮むけは「ほぼ必ず」出る
トレチノインを使うと、多くの人で数日のうちに赤みや皮むけが出ます。これは薬が効いているしるしでもあり、治療の中で避けられないものです。そのぶん、医師が頻繁に診察して、塗る回数や量を調整することが治療の成否を分けるとされています。
- 治療中は肌が乾燥するので、保湿をする
- 日焼け止めでしっかり紫外線を防ぐ
- アルコール入りの化粧品は刺激が強いので避ける
- 自己判断でステロイドの塗り薬を重ねない(メラニンを押し出す働きが弱まるとされる。医師の指示に従う)
知っておきたいこと
- トレチノインは国内では未承認の薬です。医療機関が自費診療で扱っていて、健康保険は使えません
- 効かない色素沈着もある:色素が皮膚の深いところ(真皮)にあるものや、角質が厚くなっているシミには、この外用治療だけでは効果が出にくく、レーザーなどを組み合わせます
- 自己流は危険:個人輸入などで手に入れて自己判断で使うと、強い皮膚炎を起こしたり、かえって色素沈着を悪化させたりするおそれがあります。必ず医師の診察を受けてから始めてください
黒ずみの原因を断つなら
毛の処理をやめられない場所なら、毛そのものを減らすと、埋没毛や毛嚢炎、その後の色素沈着がくり返されにくくなります。脱毛の方法の違いはヒゲ脱毛はクリニック・サロン・家庭用のどれがいい?にまとめています。
参考にした資料
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